トレス・センチュリアス広場
(Plaza Tres Centurias)

トレス・センチュリアス広場(Plaza Tres Centurias)は、伝統あるエスタシオン地区(Barrio de la Estación)の中心に位置するレクリエーションおよび文化施設であり、産業遺産の保存・再生を目的とした「フィデイコミソ・トレス・センチュリアス(Fideicomiso Tres Centurias)」プロジェクトの一部を構成しています。このプロジェクトでは、かつて国立鉄道工場および鉄道駅(Estación del Ferrocarril)の一部であった施設に新たな命を吹き込み、メキシコおよびアメリカ大陸でも有数の鉄道拠点の一つとして栄えた歴史を未来へと受け継ぐことを目指しています。

この広場の名称は、この空間を構成する建物が19世紀末、20世紀、そして21世紀に建設されたことに由来しています。そのため、この広場は過去と現在を結ぶ扉として、アグアスカリエンテスおよびメキシコにおける社会・文化・政治の変遷と時の流れを見守ってきました。

この場所の歴史は100年以上前にさかのぼります。1903年に鉄道駅が建設されると、最初の投資家や外国人労働者が到来し、街には新たな生活のリズムがもたらされました。また、アグアスカリエンテスには後にメキシコ国立鉄道工場となる施設が建設され、歴史に名を刻む数々の機関車や車両の修理・製造が行われました。

また、アグアスカリエンテスにおける交通網の発展と社会的流動性の向上は、この地方都市の気風や文化に大きな影響を与えました。そして、この地は多くの芸術家、政治家、実業家、さらには今日私たちが親しむ都市の姿を築き上げた数多くの人々を輩出する土地となりました。

しかし、20世紀の終わりとともに旅客鉄道の時代は幕を閉じ、これらの施設は数十年にわたり完全に放置されることとなりました。その後、政府と市民の協力により土地の取得と再生計画が進められ、地域の歴史にふさわしい価値を取り戻すことを目的として、1990年代半ばからこの貴重な産業遺産の保存・再生事業が開始されました。

トレス・センチュリアス広場(Plaza Tres Centurias)は、アグアスカリエンテスの歴史・文化遺産を広く紹介し、観光の魅力を高める拠点となることを目的として、2003年3月4日に開園しました。現在、この施設には駅跡博物館があり、特別展示ギャラリー、美しい駅庭園、州の鉄道史に関する資料・写真・模型を展示する鉄道博物館、イベントホール、さまざまな商業施設や政府機関のオフィスが併設されています。また、「ラ・モチャ」として知られるN. de M. 2708号機や、メキシコで初めて製造された40号機、さらにラサロ・カルデナス(Lázaro Cárdenas)大統領専用客車など、歴史的に極めて重要なオリジナルの機関車や客車も保存されており、メキシコの蒸気機関車が黄金時代を迎えた頃へと思いを馳せる旅を楽しむことができます。